gift-想い出の手触り-

おふたりと三人三脚でつくりあげた「ご自宅婚」

 

ひいおじいさまの残してくださった築100年以上の 歴史的建造物でのウエディング。
文化財にもなっているこの家を守っていくという おふたりの覚悟と、今までご自宅を守ってこられた 方々へ想いを馳せながら、結婚をする「いま」 を感じていただける時間に。
過去と現在と未来をつなぐ時間として、 それぞれの想い出を「手触り」に込めて、 いつまでも忘れることのない時間に。
新郎新婦さまと"一緒に"三人三脚でつくった 結婚式。

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顔も知らない私のことを、SNSで見つけてくださり、ホームページからお問合せをいただきました。
実は、開業して初めてのお問合せでした。
元々何かの繋がりがあったわけではない私を見つけてくださり、ご連絡くださったことが、
とにかくものすごく、嬉しかったのを覚えています。

そうしてすぐに直接お会いする機会をいただきました。

ぜひ、自宅にいらしてください、とおっしゃっていただき、お伺いしたご自宅は、私の想像を超える空間でした。
ひいおじいさまが残してくださったこのご自宅は文化財にもなっている、歴史的建造物であり、
その素晴らしさは玄関に足を踏み入れた瞬間に感じ取ることができるほどに、美しい空間でした。

「文化財」を住みながら守り続ける大変さをお聞きしていくうちに、ご新郎家も、ご新婦家も、
「文化財」であることに関係なく、今まで自分たちの「家」を守り育ててくださったご先祖さまやご家族に想いを馳せ、そのありがたさを噛みしめること。
そして、結婚をするのは「いま、このとき」だからこそ、結婚式をするそのとき‥を生きる喜び、
そして、その瞬間をともに共有できる方々がいるという幸せを実感すること‥そんなことがこのご結婚式のテーマとしてみえてきました。


ご自宅の存在を感じながら、ゲストのみなさまの温もりを感じる瞬間を散りばめたく、パーティーの最初はブーケセレモニーからスタートにしました。まず、新郎さまがご自宅の玄関からご入場です。
そして、そのあと新婦さまがお父様とご入場なのですが、このシーンは私が強くこだわったところでもありました。

ご自宅を守ってこられた新婦お父さまと新婦さまおふたりが、この家のなかにふたりっきりで過ごされる瞬間、
この家での想い出に想いを馳せていただく時間をつくりたかったのです。
(このシーンは後程ムービーに収めています)

そうしてブーケセレモニーで始まったパーティ、実はもうひとつ特別な演出がありました。
音楽のお仕事をされているお母さまが生演奏の演奏家さんを呼んでくださっていたのです。生演奏の美しい旋律に
合わせ、ご入場されるその様子はスペシャルな瞬間そのものでした。

このあとはご自宅内での和やかなお食事会です。
会場装花は同じ県内にあるお花屋さんにお願いしたく、うたかた意匠室さんにお願いしました。

ご自宅のお庭はお母さまが育てられたイングリッシュガーデン。たわわとグリーンやお花が咲いています。
そんなお母さまが育てられたグリーンを混ぜて、他にはない、スペシャルな装花をご提案くださいました。
   
この日のケータリングは奈良県生駒市にあるMAHO-ROBAさん。おふたりがお食事に行かれた際にその美味しさに感動され、自分たちの結婚式では絶対にMAHO-ROBAさんにお願いしたい、と最初から決めていらっしゃった、
外せないポイントでもありました。そんなMAHO-ROBAさんがご用意くださったお料理たちがほんとうに
美味しそうで、、、ゲストのみなさまもとっても喜んでいらっしゃいました。

 
この美味しいお料理をしっかり味わっていただきたい、という想いがあったので、お食事タイムは極力お食事に
集中していただけるように、進行はほとんど入れていませんでした。
とってもお話が弾むお部屋は笑い声が心地よく、美味しいお料理と、「ご自宅」という安心感のあるこのとくべつな空間に、うっとりしてしまうくらいの和やかな時間が流れていました。
(終盤に入れていたお母さまのピアノ生演奏もめちゃくちゃ盛り上がりましたね)
 

お食事後は、いよいよ「セレモニー」です。
お庭に椅子を並べてのセレモニー。ゲストのみなさまにこの日の、この場所での光景を目に焼き付けていただきたくて、今度は後方からご自宅に向かってご入場にしました。

結婚式の進行を考えるときに大切にしているのは、ゲストの感情がどう変化していくか、を想像し、組み立てること。セレモニーの前にお食事の時間を設けたのは、おふたりとゲストの心の距離をセレモニーまでに縮めてていただきたかったから。そうすることでぐっと「おふたりにゲストの気持ちが寄る」と予想していました。
想像通り、ゲストのみなさんのテンションが高い状態でセレモニーがスタートしました。
朝には緊張されていたおふたりの表情がとってもほころんでいたのも印象的でした。

ゲストのみなさまの温かな眼差しがほんとうに心温まる時間でした。

こうしてひとつのご自宅婚が結びました。

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おふたりからご連絡をいただいたのは昨年の秋。ひいおじいさまが残してくださったご自宅で「結婚式」が
したい‥できれば自力で準備したいけれど、プロにお願いしたほうがいいのか迷っているとのメッセージ
をいただいたのです。実際に新婦さまはお仕事でもデザインをされていたり、ご自身で色々と作ることが
できる方だったので、ほとんどのアイテムはご自身でご用意されました。
私は少しだけアドバイスさせていただいただけで、実際に手を動かし、準備を頑張られたのはおふたりでした。
ご自宅で結婚式を挙げる ということは相当の覚悟と、並々ならぬ苦労があったことだろうと思います。

でも、なんとか当日まで向き合い、やりとげられたそのお姿におふたりの結婚に対する「覚悟」を
感じたし、なによりもご家族のサポートをたくさん感じる場面に出逢いました。

おふたりには、大切なご家族やご親戚のみなさまがいるから。
ここにいるみなさんがこの先も見守ってくれているから。
そんな風に思える時間をたっぷりと感じた1年間でした。

このとくべつで、たいせつな時間を私に託してくださり、「一緒に」歩みを進めさせていただけたこと、
感謝しかありません。楽しくて幸せな1年間でした。

ほんとうにありがとうございます。そして、おめでとうございます!

Place : おふたりのご自宅
Photo : Riho Nakabe
Movie : Akinori Noda
Flower: Utakata ishoshitsu
Dress : silta dress
Hair Make : Aoi Kinose

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