ー 吉日 ー
自分たちにとって“これは運命だ!”って思えばそれは自分たちにとっての運命の出逢い、運命のできごとになるし、“これは最高だ!”って思えばそれは自分たちにとっての最高になる。いつだって目の前のことは自分たちが決める。そう、今日は吉日。とっても良い日。
はっきりと「こうしたい」が見えているおふたりが辿り着いた、ひとつのかたち。
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一番最初のお打合せ。新婦さまはおひとりでお越しくださいました。そのご様子はとても清々しくて、ご自身のなかで「こういう雰囲気の結婚式がいい」というのがはっきり見えているような表情でした。お話をお聞きすればするほど「~‥ああ~~そういう感じ、好きじゃないです!」「わかります~!それがいいんです」とご自身の好き嫌いをはっきり認識されているご様子で、きっと今までとってもご自身の心の声に素直に、正直に生きてこられたんだろうなというのがとても伝わってきていました。

そして次のお打合せで一緒にいらしてくださった新郎さま。新婦さまの清々しいご性格を包み込むようなあったかいお人柄の新郎さまのご様子に、とってもお似合いだなあ‥きっとこのおふたりと私、波長が合うな‥なんて思ったのを覚えています。(なんだろう、私が担当させていただく新郎新婦さんってどこか共通する雰囲気をお持ちというか、とにかく新郎新婦さまともに私ととっても仲良くしてくださる方ばかりで、お話していてとても心地が良いんです。)

そうして迷いなく、ねいろでお願いしたいと決めてくださったおふたり。ご試着に同行したり、お打合せを重ねるなかで、おふたりのなかで強くあるのはおふたりのご縁を繋いでくれた「比良」という特別な場所、そしてそんな比良がものすごくお好きで、人生のキーワードになっているということ。また、結婚式のコンセプトを考えるにあたって深くヒアリングさせていただいて見えてきたのは、「私たちは今とっても幸せだよ」ということをご両親に伝えたいという想いでした。
冒頭でも書いたとおり、新婦さまは今まで自分の声に正直に生きてこられた方だから、迷いというのはほとんどないように見えていました。
けれど、たくさんたくさんお話を伺っていくうちに、今まで好きに生きてきて、きっと心配をかけている両親に「ちゃんと私は幸せに生きてきたんだよ」「こんなにも素敵な友人に囲まれて今本当に幸せなんだよ」という想いを伝えたい そんな心の声が見えた瞬間があって、率直にお聞きしてみたところ、新婦さまの表情が変わったのです。「そうなんです!私がこの結婚式を通して伝えたいのはそこなんです」と。とても腑に落ちたような、それまでよりももっと清々しい表情をされた新婦さまに、なんだかとっても嬉しい気持ちが湧いてきました。

ならば・・・それを存分に感じ取ってもらえる時間にしましょう!とここで結婚式のコンセプトがはっきりと見えました。

会場として選ばれた場所はそんな比良の地にある隠れ家のようなオーベルジュ。お料理がとっても美味しくて、ご家族のだんらんの様子が目に浮かぶような温かなその場所は、おふたりが理想とされるこれまで出逢ってきた方たちとの交流を深めるのに最高にマッチする場所でした。(そのほかにもここには書ききれないくらい、いろんなご縁が重なって重なってこの場所にたどり着いたような感じです)
コンセプトが見えてからはおふたりがどんなことをしているときが幸せか、居心地がいいのか。どんな人生を歩んでこられたのか。とにかくそんなことをたくさん感じ取りたくて、今回おふたりの共通のご友人でもあり、結婚式のペーパーアイテムや会場装飾など多大なるご協力をいただいたクリエイターのIご夫妻のご自宅で一緒にお打合せをさせていただいたり、おふたりが出店される比良でのイベントに伺ったりしながら、関係を深めていきました。
そして、そんなこれまでの出逢い、これからも大切にしていきたいご縁、それがしっかりと伝わる時間にしたくて、結婚式のアイテムに存分に想いを込めていきました。
おふたりが選ばれたギフトにもそんな想いがこもっていました。

(比良で人気のパン屋さん「dry river」さんのシュトーレン。(12月の結婚式だったのでシュトーレンを選ばれたのですが、これがまた比良の有名店のスパイスを使用されたものすごくスペシャルなシュトーレンでした)そして、Iご夫妻が1点1点心を込めて加工してくださった世界にひとつだけのカッティングボード。(使われている木がそれぞれ違って、ゲストにはどれが当たるかは当日のお楽しみでした)

山登りなどのアクティビティが大好きなおふたりが歩んでこられたこれまでが丸っとそのまま表現されたようなペーパーアイテム。これもIご夫妻にオリジナルで製作いただいたものです。
この表紙、シルエットなのに、おふたりのご性格がそのまま表れたようなデザインでとっても素敵でした。アンティーク感のある少しシックさをまとった会場の雰囲気ともとっても合っていましたし、
フローリストさんと一緒に悩んで考えたおふたり好みの空間スタイリングともとてもマッチするコーディネートになって、ほんとうに素敵でした。

(ちなみに‥会場スタイリングは結構悩んだんですが、新郎新婦さんを見ていて最初にパッと浮かんだキーカラーが「マスタードイエロー」で、会場のどこかに絶対使用したいという
想いがあったので、ナフキンに使用したのですが、いろんな条件のなかで選んだブルーのクロスとのコーディネートが少し難易度が高く、フローリストさんと方向性についてはかなり話し合いました。
そしてフローリストさんが見事にバランスを取ってくれて、結婚式当日紅葉真っただ中だった比良山系の山々の色とリンクするような会場装花になりました・・めっちゃかわいかったな‥)


もちろんブーケにもマスタードイエローを添えて。
とにかく「肩ひじ張らず」「おふたりらしく」ゲストが交流できる時間をたっぷり取りたく、あまりイベントを詰め込まないようにしていたので歓談メインのゆったりとした時間になりました。
楽しいことが大好きなおふたりが選ばれた"鏡開き"という演出もとっても盛り上がりましたよ。

写真も趣味の新婦さま。パーティー中はご自前のカメラを持って回られているご様子もとっても印象的でした。(なんともこのラフさがいいですよね。めっちゃらしさが表れています)

そして・・私のなかでこの日1番のハイライト‥というのか心に刻まれた時間がありました。和やかな歓談中のこと。
虹が出たのです。司会者さんが「みなさん、今窓の外には虹が出ています」とアナウンスしてくれて、ゲストみなさんが窓の外を覗かれていました。
その瞬間の時のながれがなんとも穏やかで、和やかで、時間を止めてしまいたいと思えるくらいに幸せに満ち溢れた時間になっていました。

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昨年12月に行われたウエディングの様子。こんなにも長い間振り返りができていなかったわけですが、改めて振り返って、めちゃくちゃあったかくて笑いがたくさんで幸せがいっぱい溢れてくる1日だったなあ‥と改めて感じています。まもなく1周年を迎えられるおふたりに、改めておめでとうの言葉を送りたいなとおもいます。
ご結婚、ほんとうにおめでとうございます。そして、出逢ってくださりありがとうございます。
まもなく1周年。おふたりはお元気にされていますか?そろそろ比良山系も色づく頃でしょうか。また、比良に遊びに行かせてくださいね。

Wedding Produce Neiro(ねいろ)
上嶋千絵
Place : オーベルジュメソン
Photo : Okuda Shun
Flower: Maison U
Dress : Poetika
Hair Make : Hashimoto Tomomi
Attend support : Kumaki Shinobu
